机の上に置かれた参考書。
分厚い。重い。無言。
それなのに圧だけはすごい。
私はとりあえずお茶を飲む。
まだ戦いは始まっていない。
向こうも動かない。完全なにらみ合いだ。
意を決して開く。
パラリ。
細かい文字がぎっしり並んでいる。
「本気出していこうか」と言われている気がする。
まずは一ページ読む。
理解度は五割。
残りの五割は、たぶん今ごろどこかで迷子になっている。
問題に挑む。
一問目、正解。
小さくガッツポーズ。
参考書は無表情のままだが、私はちょっと誇らしい。
二問目、不正解。
「あれ?」
さっきの勢いはどこへ。
参考書が少しだけニヤッとした気がする。気のせいであってほしい。
それでもページをめくる。
逃げない自分を、内心ほめている。
派手な勝利はないけれど、静かな攻防は続いている。
今日も完全勝利とはいかなかった。
でも白旗も上げていない。
参考書と私の戦いは、明日もきっと静かに始まる。
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