2026年3月1日日曜日

ペン先から広がる世界

ペンを持つと、ちょっとだけ自分が賢くなった気がする。
まだ何も書いていないのに。
インクは出ていないのに、希望だけは満タンだ。

カリカリ、と最初の一文字を書く。
たったそれだけで、白い紙に世界が生まれる。
文字という名の小さな冒険が始まる。

知らなかった言葉を書くときは、少し緊張する。
スペルが合っているか不安で、やけにゆっくりになる。
結果、字が妙に丁寧になる。
不安は美文字を生むらしい。

問題を解いて、式を書いて、矢印を引く。
最初はバラバラだった情報が、線でつながっていく。
「あ、そういうことか。」
その瞬間、ペン先から小さな光が出た気がする。
たぶん出ていないけど。

ときどき、余計な落書きも増える。
集中が切れた証拠だ。
でもそのラクガキも、あとで見ると少し笑える。
ああ、このとき眠かったんだな、と未来の自分が理解する。

ペン先から広がる世界は、派手じゃない。
大きな音もしない。
でも一行ずつ、確実に広がっていく。

今日もまた、一本のペンで小さな世界を作る。
たまに脱線しながら、それでも前に進んでいく。
インクがなくなる頃には、きっとほんの少しだけ、私も広がっているはずだ。

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