「暗記が苦手なんです」
勉強の話になると、こう言う人は少なくありません。正直に言うと、私もその一人でした。英単語は覚えた先から抜けていくし、歴史の年号は昨日覚えたはずなのに今日はもう怪しい。「自分は勉強に向いていないのかな」と思ったこともあります。
ところが最近、ふと気づいたんです。暗記が苦手な人のノートは、案外わかりやすい。
今日は、その理由について書いてみます。
覚えられないから、「整理する」ようになる
暗記が得意な人は、極端に言えば、情報をそのまま頭に放り込めます。順番がバラバラでも、ひとまず覚えてしまえる。
でも暗記が苦手な人は、そうはいきません。バラバラのまま入れようとしても、すぐこぼれ落ちてしまうからです。
そこで自然と、こんな工夫をするようになります。
- 似ているものをまとめる
- 順番や流れで整理する
- 「なぜそうなるのか」を横に書き添える
つまり、覚える代わりに、わかろうとするんです。この「わかろうとする力」が、ノートの出来をぐっと変えてくれます。
「全部書かない」という選択ができる
暗記が苦手な人は、いつも「全部は覚えられない」という前提で動いています。
だから、黒板や教科書の内容を、そのまま写すことに意味を感じにくい。結果として、
- 大事なところだけを選ぶ
- 自分の言葉に言い換える
- 余白をわざと残しておく
こういうノートになりやすいんですね。
ぎっしり書き込まれたノートは、一見がんばっているように見えます。でも、見返したときにどこが大事なのかわからなければ、それは「書き写した記録」で終わってしまいます。
少ない情報でも、あとから読んで「ああ、そういうことか」と思い出せるノート。こちらのほうが、ずっと役に立つと私は思っています。
「あとで見返す自分」を想像できる
暗記が苦手な人は、一度覚えても忘れることを、身をもって知っています。
だからノートを取るとき、心のどこかでこう考えています。
「忘れた頃の自分が読んでも、わかるようにしておこう」
これ、実はものすごく大事な視点です。ノートは、今の自分のためだけでなく、未来の自分に宛てた手紙のようなものだからです。
- 専門用語には、ひとこと説明をつける
- 図や矢印で、関係をひと目でわかるようにする
- 「ここでつまずいた」とメモしておく
こうした小さな親切が、あとから見返したときに大きな助けになります。忘れることを知っている人ほど、忘れたあとの自分に優しいノートが書けるんです。
「うまく覚えられない」は、弱点じゃなくてヒント
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「でも、結局覚えられないことには変わりないのでは?」
その通りです。ただ、それを欠点として落ち込むのか、「だから工夫しよう」の出発点にするのかで、勉強のしかたは大きく変わります。
暗記が苦手ということは、言い換えれば「覚える以外の方法を探せる人」でもあります。そうして身についた整理力や言い換える力は、ノートだけでなく、仕事や日常の場面でも役に立ってくれます。
今日からできる、小さなノートの工夫
最後に、すぐ試せる工夫を3つだけ紹介します。
- ページの左側は「内容」、右側は「自分の言葉でのひとこと」にする
写すだけで終わらず、一度かみくだく習慣がつきます。 - 見出しをつけて、1ページ1テーマにする
あとから探しやすくなり、見返すのが苦にならなくなります。 - 「なぜ?」をひとつだけ書き足す
理由がつくと、記憶はぐっと残りやすくなります。
どれも、特別な道具はいりません。いつものノートに、ほんの少し足すだけです。
おわりに
暗記が苦手なことは、勉強が苦手ということではありません。
覚えられないからこそ、整理する。全部は書けないからこそ、選ぶ。忘れてしまうからこそ、未来の自分に優しく書く。
そうやって工夫を重ねた人のノートは、きっと、ちゃんと味方になってくれます。
「暗記が苦手だな」と感じているあなたこそ、今日のノートから、ほんの少しだけ変えてみませんか。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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