次の日にはきれいに忘れている。
勉強をしていると、
そんなことがよくあります。
昨日はわかった気がした。
問題も解けたし、
説明を読んだときも、
「ああ、そういうことか」と思った。
それなのに、
少し時間がたってから同じところを見ると、
まるで初めて見るような顔をしてしまう。
あれ。
これ、昨日やったはずなのに。
そう思いながら、
頭の中を探してみる。
けれど、出てこない。
引き出しを開けるように、
記憶を探しているつもりなのに、
そこには何も入っていない。
きれいに空っぽになっている。
この瞬間、少し落ち込みます。
自分は覚えるのが苦手なのか。
勉強しても意味がないのではないか。
昨日の時間は、
どこに消えてしまったのか。
そんなふうに考えてしまうこともあります。
でも、忘れること自体は、
そんなに特別なことではないのだと思います。
人は忘れる。
それはもう、
仕方のないことなのかもしれません。
むしろ、
一度見ただけで全部覚えられるほうが、
かなりすごいことです。
勉強は、
一回で頭に入れる作業というより、
何度も同じ場所に戻ってくる作業に近い気がします。
一回目は、ただ見る。
二回目で、少し引っかかる。
三回目で、
「あ、これ前にも見た」と思う。
四回目くらいで、
ようやく少し自分のものになる。
そう考えると、
忘れていることに気づくのも、
勉強の一部なのだと思えてきます。
忘れたから終わりではなく、
忘れたことに気づいたから、
もう一度覚え直せる。
そして、
覚え直したものは、
前より少しだけ残りやすくなる。
完全に消えたように見えても、
実は頭のどこかに、
薄い跡が残っているのかもしれません。
だから、
もう一度見たときに、
ほんの少しだけ早く理解できる。
前より少しだけ、
引っかかる場所がわかる。
その小さな積み重ねが、
覚えるということなのかもしれません。
勉強していると、
自分の忘れっぷりに驚く日があります。
こんなにきれいに忘れるものなのかと、
逆に感心してしまうくらいです。
でも、そこでやめてしまうと、
本当に何も残らない。
もう一度だけ見てみる。
もう一回だけ書いてみる。
もう一問だけ解いてみる。
そのくらいの小さな戻り方で、
少しずつ記憶は太くなっていくのだと思います。
忘れる自分を責めすぎなくていい。
忘れることを前提にして、
また戻ればいい。
勉強は、
覚えたことを失敗なく守り続けるものではなく、
忘れて、戻って、また拾い直すもの。
そう思うと、
少しだけ気が楽になります。
今日忘れていたことも、
明日また見ればいい。
それでも忘れたら、
またその次に見ればいい。
きれいに忘れてしまったように見えても、
何度も戻った分だけ、
少しずつ自分の中に残っていく。
勉強とは、
たぶんその繰り返しなのだと思います。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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